人気ブログランキング | 話題のタグを見る

君がいたから上手く泣けたんだ。

君がいたから上手く泣けたんだ。_d0108081_0534882.jpg


弘前のねぷた祭りが終わってしまった。

城下町弘前でうまれそだったあたしにとって

特別だいすきなだいすきなお祭り。





いつも見るだけでうずうずしてたんだけど、

今年は、お囃子で参加させてもらった。




弘前の独特の熱気と勢い。

それが肌に刺さって、そこからじんわりとあたしの中に浸透する。

血が滾る。心拍が上昇する。耳が熱くなる。

そうそう、このかんじだ。





子どものころ、父と母に連れられて

ねぷたの綱を引きながら、一生懸命長い距離を歩いた。

途中でもらうソーダ味のアイスがうれしくてはしゃいだ。

どこまで歩いてもゴールが見えなくて、

でも疲れるよりもワクワクが勝ってた。

最後まで行くと袋いっぱいのお菓子とジュースをもらって

近所のおじちゃんが「よくがんばったね」って

大きな手で頭をなでてくれた。

そんな大事な思い出を、あたしは弘前にすっかり置いてしまっていた。

20年ぶりに対面した、色あせてしまった思い出は

離れていたぶん、いとおしくかんじる。

ぎゅーっと抱きしめるとなつかしい匂いがする。

鼻の奥がつんと痛くなって、涙がこみあげてきた。

もうどこにも置いとかないようにしなきゃな。




大人になって歩いた距離は、なんだか短く感じてせつなくなった。




この一週間はほんとうにたのしかった。

生きてると日頃、いろんなことがあるけど

そのどれもを忘れてしまえるくらいだった。

たくさんの人と出会った。

たくさんわらって、話した。





おわってしまうことが本当にさびしくて

わんわん声を上げて泣いた。

8月ははじまったばかりなのに

もう夏が終わってしまうかのように、ぽっかりと穴ぼこができてしまった。

たのしい時間をありがとう。

ほんとうに、ほんとうに。





きょうのうた

ミス・イエスタデイ / YUKI








こうやっているうちに、一つ年を重ねることができた。

たくさんの人との出会いの熱で、ゆっくりと扉がひらかれた。

歩いていくのはあたし自身。

目の前に広がるのはどこにも交わらない一本道。
by hauoli_ohana | 2011-08-08 00:54 | E-420